【スマホ1台旅in上海】デジタル化が進んだ中国と遅れを取る日本の差

るってぃ(@rutty07z)です。

持ち物「スマホ1台」で旅できるか検証するためにスタートした「スマホ1台旅」企画。クレジットカードも現金もパンツも持たずにスマホ1台で上海に上陸。

「スマホ1台で旅できる」と散々言われていた中国はなんと旅行者には全く優しくない国だったのです。

前回の記事→現金もカードも持たず「スマホ1台」で上海行ったらエラい目に遭った

フォロワーさんの協力の元、なんとか中国の番号付きのSIMカード中国元をチャージしたWeChat Pay(モバイル決済機能)をゲットし、ここからるってぃの覚醒モードがスタートするのでした…

動画でみたい方はこちら▼

ほぼ全てがモバイル決済で完結する中国

例えば上海のレストランのテーブルにもQRコードが設置されており

スマホで読み込むことで、スマホ自体がメニューになってそこから注文ができます。また、店員さんが注文を聞く手間(人件費)が省けるのでモバイル決済を選択すると割引を受けれるお店も多いという非常に合理的なシステム。

それならみんなもモバイル決済を選ぶし店側もメリットも多いのでWin-Winですよね。

スマホから注文したおかゆとスプライト

モバイル決済を持ってない民は、わざわざ食事後に現金でお会計しなければいけません。これがどれほど面倒くさい作業か、この数日で実感してきました。


しかし調子乗って「モバイル決済うぇ〜い!」とか言ってたら、上海蟹を奢らされることに。なんでだよおい!!!!!

気づいたら残額死ぬほど減ってた。

10万円分チャージしたはずなにのに2400円くらいになった図

11月の上海は極寒、頂いた服の防御力では限界がきたのでダウンジャケットを購入。もちろんアパレルショップでもドヤ顔でWeCaht Pay。

コンビニや至る所でスマホの充電サービスがあります。これからもモバイル決済を使って充電可能。


レストランの入り口にもスマホの充電スペースがあるし。

モバイル決済でスマホをロッカーに入れて充電する

中国の地下鉄では空港のように手荷物検査があるのですが、持ち物スマホだけなので平然とした顔でパスできます。

中国から現金がなくなる未来も近い?

こじんまりした個人店ですらQRコードが設置されている

数日の上海滞在でモバイル決済を体感しましたが(クレカと現金持ってないからそうするしかない)、死ぬほど便利。時間もかからない。スキミングもない。お店側も人件費も節約できるし、履歴が残るので経理も楽チン。

急速な勢いで広まりつつあるモバイル決済により、中国から現金がなくなる未来もそう遠くはなさそうです。聞いた話によると、閉鎖されている銀行のカウンターも増えてきてるとのこと。

日本のメガバンクでもリストラが始まりましたが、金融とテクノロジーが結びつくFinTech(フィンテック)や仮想通貨などのブロックチェーンの影響で、現金と銀行の影響力が弱まってることが実感できます。

中国で急速に広がるシェアリングエコノミー

中国で急速に広がりつつあるシェアリングエコノミーサービスも、鍵を握るのがこのスマホと紐づいたモバイル決済サービスです。

北京に本社を置く「Mobike」はクレジットカード情報をアプリに登録しておけば、決済から鍵の施錠までスマホ1台で完結。料金も30分で1元(約17円)と格安。

しかもどこでも乗り捨てできるのだから革命的な便利さであります。爆発的にシェアバイクが受け入れられたことから、多くの企業がシェアバイク事業に参入。結果として街の至るところにシェアバイクが設置されておりカラフルな光景を作ってます。


傘のシェアリングサービス「摩傘(モーサン)」突然の雨の日には傘をレンタルすることができます。

しかし中国のIDが認証確認で必要なので中国人でしか使えないという結果に…

中国版Uberの「滴滴出行(DiDi)」。

個人がタクシードライバーになれるライドシェアサービス。指定場所に配車できる上に決済もカードで完結。

前回の記事で書いたように、中国のタクシーはとにかく捕まりません。それにぼったくりタクシーも多いので注意が必要です。しかしこのDiDiであればUber同様好きな場所に配車できる上に、事前にルートと料金が確定するので安心です。

上海の宿泊場所もホームシェアリングサービスの「Airbnb」を利用。ホテルより安価で、よりローカルに近いエリアに宿泊できることでミレニアル世代に人気。


ちなみに中国のモバイル決済サービスでよく目にかかるのはこれら3つ。

  1. WeCaht Pay
  2. QQ
  3. Alipay

上記3つのいずれかをインストールし、中国元を入金しておけば快適にモバイル決済を使用できるのですが、問題は中国の銀行口座が必要ということ。中国の銀行口座がなければ自由にお金を上記サービス入金することができません。

というわけで中国で銀行を作ろうとしたが…

試しに銀行口座を作りに訪れたのですが、外国人はビザがないと作れないとのことでした(観光で来てる場合はNG)。以前は観光客であっても簡単に作れてたみたいですが、2016年あたりから一気に厳しくなったそうです…。


結果として前回るってぃがそうしたように、「中国元を持ってる友人に入金してもらう」しかありません。

仲良くなった中国人の方に中国元を現金で渡し、その代わりWeChatに同額を入金してもらう図。デジタルな旅を通じたアナログなコミュニケーション。

▽スマホ1台ポイント!
旅行者は銀行口座が作れないためモバイル決済が使用できない。友人に入金してもらうくらいしか今のところ方法はない

結論 中国は「電話番号」と「銀行口座」さえあれば2017年でもスマホ1台で旅できる

しかし前述した通り、中国の銀行口座はIDかVISAがないと作れないので、旅行者は中国の番号付きSIMしか購入することができません。友人や知人にWeChat Pay、QQ、Alipayのいずれかに中国元をチャージしてもらうしか現状なさそうです。

2017年の上海ではこのような現状でしたが、これから旅行者にとっても旅しやすいインフラが整うことを期待します!!!

現金が必要な場面で死ぬほど助けてもらったみんな

中国と日本の差は一体何か?

公衆電話にフリーWiFiも入ってる中国

移動は近場ならMobikeを拾ってサッと移動。車が必要ならDiDiですぐに呼べて、宿泊はAirbnbで、買い物は全てスマホ1つで済む。必要であればどこでもスマホが充電できてしまう。フリーWiFiも至るところに通ってる。

こんな中で生活している中国人が正直羨ましくなるレベルです。日本はどうかと言うと、Uberはタクシー業界の反発で入ってこれず、Airbnbも180日という規制付きで法整備。モバイル決済どころかカード決済すらも浸透してません。フリーWiFiも全然整備されていません。

中国のようにかつてはインフラも整備されておらず、「なんでもあり」が通用していた国で急速にデジタルが発達すると一気にそれがスタンダードになります(アフリカでいまモバイル決済が進んでるのも同じ理由です)。

日本のように、既得権益層が一度利権を掌握してしまうと、新しいテクノロジーは入りにくくなってしまうと僕は考えます。また島国特有の国民性も働くのでしょう。2020年にオリンピックを迎える日本ですが、果たしてデジタル化によって便利で快適になっているのでしょうか。

上海スマホ1台旅 余談

上海といえば「上海ディズニーランド」ですが、僕らは目もくれず「偽物が多い遊園地」に行きました。

ジャック・○パロウ?
なぜか青色のオーラをまとったス○ムダンクの桜○花道

中でもVRジェットコースターが死ぬほどおもしろかったです。これぞテクノロジー。

こっちみんなwwww

アトラクションがハードすぎて死人続出

あの中国雑技団もモバイル決済でチケットが購入できます。


中国の方って冷たいイメージかあったんですが、むしろすごく優しくて、踊ってたら雑技団の席グレードアップしてくれたし

日本語話せる人も多くておすすめスポットたくさん教えてくれたし。ちゃんと中国に来たのは初めてだったのですが、テクノロジーやカルチャー、そして中国の人々に対するイメージが変わりました。

やっぱりメディアの伝えることをそのまま鵜呑みにすることは危険だし、しっかり現場に足を運んで一次情報を取り入れることが重要だと再認識できました。

スマホ1台で世界を旅することは、2017年のテクノロジーではまだまだ現実的ではありません。僕みたいにむちゃくちゃやるやつならできるけど、これを全員が普通レベルでできるようになるにはまだ時間はかかるでしょう。

このスマホ1台旅の企画の目的は「旅に持っていく荷物をできるだけ減らし、カフェに行くように世界に行くこと」。要するに海外旅行のハードルをもっと下げることです。

今回初めて持ち物スマホだけで海外に行きましたが、少なくともアジア圏の旅行は何の気なしに行けると実感したるってぃなのでした。


次は「スマホ1台旅 アメリカ編」、全く行きたくないのですが一体どうなることやら…

スマホ1台旅 協力スポンサー様


monooQさま(Libtown株式会社)


OMIYA!さま(合同会社cocowa)


イケダハヤトさま(合同会社 日本の田舎は資本主義のフロンティアだ)