たかやです!(@tabigrapher)
当メディアは今まで縁遠かった「旅」に強い人と「IT」に強い人、その両方の併せ持っている人の「経験・知識・スキル・思い」を共有し、日本人の旅に出ることのハードルを下げ世界に飛び込ませるきっかけとなる、そんなワクワクする未来を作るメディアです。
とまあ大層なことをいったのですが、本音のところは「みんな旅しよーぜ!」ってところです!日本人のほとんどの人の趣味に「旅行」があるのは知っています。
しかし、なぜ多くの人が「旅・旅行」にいけないのか?その大きな原因が、仕事です。
長期の休暇の取得が難しく、長くても1週間ちょっとの休暇しか取れない日本において、未知なる世界に飛び込む旅をすることは、非常に難しいことです。
しかし、「旅」が仕事になれば話は別。旅をしなければ収入にならない環境を作れば良いのです。そのために必要なものが「ITを駆使する力」。
今回は「Twitter×旅」の企画をした、脳内アーティストの稲沼竣さんに「旅×IT」についてお伺いしてきました。
◾︎ #Twitter電車旅 、運命のツイート!!!
このツイートの
いいねの数だけ駅を進み
RTの数だけ人に話しかける旅をします!
今日から10月1日までのいいね、RTの合計で僕らの行き先が決まります!
俺らを遠くにぶっ飛ばして下さいwww
よろしくお願いします!!! pic.twitter.com/hWZUTpLgrp
— ShunInanuma@今マジになる! (@ShunInanuma) 2017年9月26日
【関連ページ】:いいねの数だけ進み、RTの数だけ人に話しかけるTwitter電車旅
稲沼竣さんとは、どんな人なのか
実は稲沼さんに一度会ってみたいと思っていたところに、今回TABI TECHのインタビュー記事の依頼を受けたので本当に楽しみにしていました!簡単に自己紹介して頂いてもよろしいですか?
これまでの経歴は3年間フリーターをしたあとに、3年間フリーランスをしていました。そして今年の9月19日に日本初・世界初のものしかデザインしない会社を立ち上げました。
それまでは基本的にはデザインの何でも屋さんをやっていて、そこで得た収入をアーティスト活動(表現活動)にすべてぶち込んでいます。それが喋るTシャツや今回のTwitter旅といった活動で、その基準も日本初か世界初のことしかやらないという風に決めています。
仕事もアーティスト活動も日本初・世界初のことしかやらないと決めたおかげで、いま仕事が一切に無くなってしまいました(笑)
Twitter電車旅について詳しく聞いてみた
Twitter電車旅をしようと思ったきっかけは?
どういったきっかけでTwitter電車旅をしようと考えたのですか?
正直考えてでたアイディアではなかったですね。ブログやTwitterで企画を宣言したときは
と言ったが、それは後付け。なんか降ってきた。そして実行するかどうかの基準は「日本初か?世界初か?」どうかだけ。そしてそういったアイディアを振ってこさせるための「余白を作る」。できるではない。
ちょっと名言っぽいの言葉が出ましたね。「余白を作る」
Twitter電車旅のルールは?
いいね!の数だけ進み、RTの数だけ人に話しかけるルールの旅だったと思うのですが、それ以外のルールってあったりしましたか?
話しかけた人に自分達の行動を決めてもらいました。
自分達の未来を話しかけた人に作ってもらうというルールを作ってやりました。
そう聞くと、Twitter電車旅って「IT×旅」のイメージが先行しがちですけど、やっていることはITとかけ離れていますね。
それが面白くって、ITとリアルのコラボレーションを実現するのがこのTwitter電車旅でしたね。自分達が進める数・話しかける人数とTwitter電車旅をコンテンツとして発信する部分だけが、ITの要素を含んでいます。
しかも、リアルであった人が面白がったり共感してくれたりして支援してくれると、自分達が進める駅数や話しかけらえる人数も増える。
それだけ得られる経験や知識、見れる景色が変わってくる。全員参加型の旅にしたことでできた旅になりました。
100RTまでの人に話しかけたラインナップはこちらになりますw
人に話しかけるという強制ルール無しでは話しかけなかった人達。色んな人がいますね。人と人との出会いは先の見えない未来を作る!!
幸せは人ありきです
あなたの気になった人は誰ですか????#Twitter電車旅 pic.twitter.com/M1mzdXhlxw
— ShunInanuma@今マジになる! (@ShunInanuma) 2017年10月1日
Twitter電車旅をして気付いたことは?
ITとリアルが融合された濃い旅だったと思います。このTwitter電車旅であった大きな気付きはなんだったでしょうか?
自分が旅をする際にいつも決めているルールがあって、それが「先の見えない未来を楽しむ」ということ。
印象的な体験が2つあった。そのうちの1つが岡山での話。
とあるバーで飲んでいて、二軒目に行こうとした際にマスターにどこがおススメかを聞いてそこに行くことにした。そこがなんと「おかまバー」で、最初はびっくりしたけどめちゃくちゃ楽しかった。
マスターが自分達のなりを見て、オシャレなところやお酒が美味しいところではなく、変わった面白いところが良いだろうと考えススメてくれた。絶対に自分では「岡山 おかまバー」って検索しないし、あとで食べログを見たら評価3.0だった。
普通にITを使っていたらいかないところに行ける、結果面白い。全然AIより最適化されていると感じた出会いだった。
旅を仕事にすることについての考えは?
仕事にすることは簡単。「貢献」といかに結びつけるかが重要
TABI TECHのコンセプトは
というところ。旅の仕事化についての考えはありますか?
仕事って難しく考えがちだけど、要は「貢献」できるかどうかの一点のみ。これはフリーランスの人だと身に染みるように感じるけど、「自分が誰かの役に立つ・貢献する=仕事=お金・報酬」という構図はどこも変わらない。つまり旅も誰かの役に立てば仕事になりマネタイズできる。
旅=仕事はものすごく難しい
でも実際に「旅=仕事」にすることはめちゃくちゃ難しい。旅って基本自分のための娯楽だったり成長だったりするわけで、それが「誰かのためになる」に結びつけるのは簡単ではない。今回のTwitter電車旅も自分が思いついた面白い企画であったわけであり、大事にしている「先の見えない未来を楽しむ」をコンセプトにしている。
ノープラン旅で、
旅をするのか明確に出ていないので、支援したことによって、自分にどんな貢献をしてくれるかわからない旅は、仕事化やマネタイズは非常に難しい。その点、るってぃのアメリカやヨーロッパの旅は非常に「旅と貢献」の紐づけが上手い。
アメリカシリコンバレーやヨーロッパの最新の働き方やITを、知りたいけど行けない人に代わって現地で取材する。その情報を提供するということで「支援者の知識欲求を満たす貢献」に結び付けている。旅を仕事にしたいなら貢献への導線づくりが必須。
ITを駆使すれば、旅をしながら仕事はできる
けれど、旅と仕事を切り離せば余裕で旅をしながら仕事はできる。一般的に考えられるのは
などだが、その他にもまだまだある。
たしかにボクもAirbnbでゲストハウスをして150人以上泊めてきましたが、長期で日本に旅行に来るゲストのほとんど、IT関連の仕事をしている人でした。
イメージはITスキルが高くノマドワーカーが、旅をしながら仕事にしている印象がありますね。しかし実際は、「貢献する」が仕事になる・マネタイズの大前提になるので、切り口はいくらでもある。TwitterやFacebookなどSNSでの影響力のある人であれば
などのマネタイズ方法。影響力が弱い人でも大きなメディアを持ってくる営業力があればよい。ボクの「移動する同棲生活」をラブホでやった際は、月間1,400万PVのanan webにて掲載を依頼しました。それをもとに各ラブホに取材でのPR効果を交渉材料にして、営業を有利に進めることができました。
他にもTwitter電車旅中に出会った人の中には、農作業を手伝いながら旅をするwwoofをしている人や、リゾートバイトなど、切り口の見つけ方は本人の思考次第。旅と仕事は両立できるし、今後もしていく予定です。
今回のTwitter電車旅も、ITスキルが乏しい人の知識や経験を、稲沼さんが代わりに発信したという貢献の要素も含まれていますね。
もうひとつ言いたい、「旅」と「旅行」の違い
自分の中で「旅」と「旅行」の違いが分かってきている。
多くの方が考えている答えを、稲沼さんが持っているかもしれませんね。聞かせてください。
「旅行」は外に刺激を求め、「旅」は中に刺激を求める。旅行は、いつ・どこに・なにをしに行くという目的が明確に決まっていることが多い。それは予測し得る範囲内での出来事を求めている。それが表しているのは、自分の思考や志向。つまり現在の自分を表現するのが旅行。
一方で旅は自分の中を旅する。なにがしたいのか・なにを求めているのかといった自問自答していることへの答えを探している。そのきっかけが旅。
旅から受ける刺激をもとに自分の中にある、新しい価値観や思考・志向を見つける。旅は自分の中にある新たな答えを探す道具に過ぎない。
最後に
今回インタビューさせて頂いた中で、特に印象的だったことが3つ。
1.アナログの不確実性も大事
Twitter電車旅もいいね!とRT数で行く場所が決まるだけではおもしろくない。それなら他の誰かがマネできてしまう。
それまでの過程で一切ITを利用しない超アナログさのおかげで個人の嗜好が反映される部分と、ITを融合させることで画一化しない旅となり、おもしろいコンテンツになった。見えない未来=トラブル=最強コンテンツ。
2.貢献できれば何でも仕事
自分の経験談からだと、Airbnbの体験ホストで書道体験を提供している。これも外国人ゲストの思い出の1ページを作っている。これも貢献である。
なので「貢献」という切り口で考えることは旅を仕事にするにしても、そうでないにしろ非常に重要な心構えである。そして旅を仕事に、旅をしながら仕事をすることにおいてITとの相性はバッチリである、これを利用しない手はない。
3.新しい刺激が入ってくる余裕を持つ
フッとひらめきやアイディアが降りてくる瞬間は、多くの刺激や気付きによるインプットがきっかけになる。
しかしそれが降りてくる余白がなければいけない。
気持ちを切り替えるという言葉があるが、切り替えすぎると得たものがすべて流れてしまう。多くの学びや気付きがあった後は、必ず余白を作ろう。
(Photo by かんき:ういみっく村)