何者でもない人が目の前で変わっていく光景

先日、コロナ以降はじめてとなるポエトリーリーディング(詩の朗読)のイベントへ。僕はやるのではなく、見る側です。

「オープンマイク」と言って、誰でも飛び込みで自作の詩を朗読できます。

今回はひとり3分で朗読、引き語り、ラップ、演劇、踊り、漫才、沈黙…本当になんでもありで、ステージに立てば学歴や肩書きとか一切関係のない平等の世界です。

しかも何をやってもみんなが受け入れてくる。はじめての人も一切否定しない。というかむしろ、はじめての人ほど、爆発的な輝きを持ってたりする。

そんな自由さが最高なんです。ここが本当の多様性に富んだ場。外国語もOKですし、そもそも言葉にしなくてもいい。

むしろ「3分以内なら何やってもOK!好きに表現して!」と言われたら、あなたらなら何をしますか。

そして気づけば、8時間ぶっ通しで50名近くのパフォーマンスを見てたんですねー。

瞬間芸術とはこのことで、たった3分の間に、人がどんどん変わっていく、そんな光景を目の当たりにします。何者でもない人が、有名なアーティストより輝いてるなんてこともあるんです。

すごすぎて、心から震わされるものがあって、そして感じること多すぎてメモが止まりませんでした。

なぜ自分はこの人の詩に感動したのだろう?なぜこの言葉に共感したのか?など、詩とパフォーマンスを通して内省できる贅沢な1日の使い方。言葉と作者を媒介しないアートの世界と、むしろ話者がメインで言葉を使って表現する朗読の世界。この比較が自分の中でおもしろい。

そして、表現というのは人間が持つ根源的欲求で、それなくして生きることは不可能なんだと改めて感じました。

オープンマイクができるという場があることで、今日も生きていける人がいること。そしてその場を作り続けるオーガナイザーikomaさんにリスペクトです。

感染拡大で、ツイキャスでオープンマイクの場を作っています。このイベントで参加者の人たちも、普段オンライン上で交流してた人たちとついにオフラインで対面して「○○さん存在してたんだ!」みたいな会話がたくさん飛び交ってて勝手に感動してました(おじさんだよもう)。とても良い日。

個人的に特に印象的だったのは、このイベントが終わったら川に飛び込んで人生を終わらせようと思ってたとTwitterで語っていたおじさん。

本当に、彼の3分間は素晴らしかった。信じられないほど輝いてました。