いつか誰かがわたしのことを見つけてくれて、有名になれるかもしれない
あなたもそんなことを想像したことはありませんか?
しかしそんな想像とは真逆に、「いつか誰かが広めてくれるかもしれない、ということはないんです」とはっきり語るのは、ピラティスインストラクターの関清香さん。
関さんはピラティススタジオを開業するも、なかなか生徒さんが集まらずに悩んだ時期があったそうです。そんなときに集客のキッカケになったのがSNSでの発信です。
今ではInstagramのフォロワーは1万人目前、ピラティススタジオで毎日行なっているレッスンはキャンセル待ちが出るほどの人気ぶり。
今回はそんな関さんに伺った
- ピラティスインストラクターになった経緯
- 知識0からどのように自分のスタジオを開業したか
- SNSで発信する理由と集客に繋がるSNSの活用法
などについて、お話を伺いました。
ピラティススタジオSTUDIO es代表 関清香
2014年にSTUDIO esを初台にオープン。
指導歴10年。豊富な知識と指導経験を持ちインストラクターの育成にも携わる。
姿勢や身体作りを日々研究するスペシャリスト。(ホームページより引用)
自分のスタジオを開業したのは通勤時間を減らすため?開業後は集客に伸び悩む
——関さんはご自身でスタジオを開業していますが、今までの働き方や開業に至ったキッカケについて聞かせてください。
関:友人のススメをきっかけに、ピラティスインストラクターの資格を取得してから銀座のスタジオで6年、千葉のスタジオで2年、2ヶ所を掛け持ちしてアシスタントとして働いていました。
ピラティスは大好きでしたが、この先の生き方や働き方に悩んだ時期もありましたね…。転職も考えましたが、一般的な企業に勤めたこともなかったし、やっぱりわたしにはピラティスのインストラクターしかないと思ったんです。
でも、自分自身フットワークが重くて移動が苦手で。だから「2つのスタジオを掛け持ちして頑張るよりも、自分で開業して拠点を作った方がいいな」と思ってスタジオを開きました。
——「スタジオを持ちたい」という憧れではなく、通勤時間を減らすために開業したんですね。関さんみたいに自分のスタジオを開業しようと思っても躊躇してしまう人もいると思うのですが、不安はありませんでしたか?
関:当時は開業への不安よりも「早くオープンしなきゃ」という焦りを感じてました。開業の知識はなかったのですが、「これで間違いないだろう」というところまで徹底的に調べれば自信もついてくるんですよね。
2014年に無事にスタジオをオープンできましたが、最初は週に2〜3日しか生徒さんがいないときもありました。
自分から発信しないと見つけてもらえない。自撮りが嫌なんて言ってる場合じゃなかった
——開業して最初から上手くいったわけではないんですね。初めはどのような集客をしていたのですか?
関:どれが効果あるかなんてやってみないと分からないので、試せるツールは全部使ってみようと思っていろいろ試したんです。まずは近所の人に来てほしかったので、チラシ配りが効果がありました。
他にホームページを作ったり、雑誌に出稿してみたりもしていました。SNSもTwitterや Facebook、Instagramなど登録はしましたが、うまく活用することができていませんでした。
——関さんはSNSで集客しているイメージだったのですが、最初はあまり活用できていなかったと
関:SNSのアカウントは開業当時からありましたが、きちんと運用して発信しようと思ったキッカケは、近所のお弁当屋さんのおじいさんです。
おじいさんが小さいお店でも、毎日遠くまでのぼりを立てたり工夫して宣伝しているのを見て「もっと自分から発信しないと見つけてもらえないんだ」と気づいたんです。
今までは何となく恥ずかしくて、「SNSでは顔を出したくない」と思っていたのですが、せっかくSNSやホームページを見てピラティスに興味を持ってくれても、どんな人がやってるか分からなかったら不安ですよね。
それで「顔出ししたくないとか言ってられないな」と思い、SNSに自撮りも載せるようにしました。
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開業したい人は絶対に発信すべき。自分に合ったツールを見つけて欲しい
——Instagramのフォロワーがもうすぐ1万人いきそうですよね…!
関:Instagramのフォロワー数が伸びてきたのは今年からなんです。
今年の1月に今の場所にスタジオを移転したのですが、今のスタジオは景色や日の当たりが良くて写真を撮るとすごく映えるんですよね。それが楽しくて、ウェアなどの写真をそれまで以上に載せるようになりました。
——まさにインスタ映えですね。関さんといえば、すごく分かりやすいピラティスのエクササイズの動画も投稿されていますよね。
関:エクササイズ動画を投稿し始めたのはある生徒の方に、「関さんのピラティススタジオにこれからも通いたいけど、事情があってどうしても通えなくなってしまうから動画がほしい」と言われたことがキッカケでした。
「そこまでしてわたしのピラティスのレッスンを受けたいと想ってくれる人がいるなら」と感激して、その日からすぐにエクササイズ動画を載せるようになりました。
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——その他、発信する時に気をつけてるポイントはありますか?
関:今はフォロワーさんへ有益な情報を届けられるように意識して投稿しています。例えば電車に乗っているときに、イヤホンで音楽を聴きながらInstagramを見てる女性って多いですよね。
それに気づいて、音楽を聴いていてもポイントがわかるようにテロップを出したり、短い時間でパッと見れるようにあえてちょっと早送りにしたりと工夫してます。
——では、これから自分のスタジオなどを開業したい人に向けてアドバイスはありますか?
関:開業したいと考えている人は、SNSでの発信が絶対に必要だと思います。
「いつか誰かが見つけてくれるかもしれない」とか「誰かが広めてくれるかもしれない」ということはないんです。見つけてもらいたかったら自分から発信して声をあげないといけなくて。
わたしはInstagramが合っていましたが、業種や人柄によってその人に合うSNSがTwitterだったりYouTubeだったりと変わってくるので、自分に合ったものを使ってほしいですね。
自分の快適な環境には自分で持っていく。それが周りの人のためにも繋がる
——集客に関して聞いてきましたが、ピラティススタジオを運営していく上でなにか工夫したことはありますか?
関:生徒さんとのやり取りや予約の受付をメールからLINE@に変えました。メールだとどうしても形式っぽくなって文章が硬くなったり、一斉送信が不便だったんです。今はメールよりもLINEが主流ですし、セミナーに通って勉強してLINE@を開設しました。
そのように「自分の快適な環境に自分で持っていく」ことはすごく大事だと思います。複数のスタジオに通うのが嫌だから自分でスタジオを開いたし、メールが不便だと感じたからLINE@を始めました。
LINE@に変えたことで生徒さんや、SNSを見た方が気軽に連絡をしてくださるようになりましたし、自分の環境を快適な方向に持っていくことは周りの人のためにもなるんです。
わたしは自分がやりたいことへの情熱が高まったら一瞬で行動に移します。
行動できない人は、実はやりたくないと思っていたり、好きじゃないのかなと思ってしまいます。本当にやりたいならすぐ行動に移すはずですよね。
美容室と同じようにピラティススタジオに通ってほしい。身体は自分の好きなように変えられる
——では最後に、関さんの今後の目標は何ですか?
関:この先も数年はピラティスインストラクターは続けて、ピラティスの魅力を伝えていきたいです。
今ってピラティススタジオやスポーツジムに通って運動することって、「意識高い」と思われがちですよね。
でもみんながいつも行きつけの美容室や飲食店に通うように、ピラティススタジオやスポーツジムに通って運動することも日常的になってほしいです。
自分の身体を丁寧に扱ってメンテナンスしている人と、何も気にしていない人って将来姿勢などに大きく差が出ます。身体は変えられるから、気に入らないところがあっても自分が好きなように変えていけばいいんです。
ピラティスに興味を持ってくださった方がいたら、ぜひいつでも体験レッスンに来てください!
取材を終えて
今回取材を通してわたしが感じたことは2つ。
1つめが「自分にとって快適な環境を、自分で作ることの大切さ」です。
関さんは開業の知識がなくても徹底的に調べて、開業という目標を達成しています。自分の移動を減らすためだったとはいえ、それが生徒さんのためにも繋がるなんて素敵な流れですよね。
2つめは「発信することの重要性」です。これは開業する人だけでなく、どのような職業や働き方であっても言えることで、自分の名前で活動していくためには発信活動が不可欠です。
ただ自分の活動を発信するだけではでなく、届けたい層や、その人たちのライフスタイルなどを考えて適切に発信することが大事だなと感じました。
関さんが本当にピラティスが好きなこと、生徒さんのことを考えているということがすごく伝わってきた取材でした。
関清香さんのTwitter:@studioes731
Instagram:@studioes731
ピラティススタジオ:ピラティス STUDIO es
Photo by 安東佳介