以前から興味があった金継ぎのワークショップに行って来ました。
伺ったのは金継ぎ作家のナカムラクニオさんが荻窪の6次元という場所で開催されているワークショップ。
金継ぎとは、割れた器を漆で接着させ復元させる伝統技法のこと。写真左は口が欠けた部分を、写真右は3つに割れた器を接着しました。
金継ぎの工程は想像以上にシンプルで、3時間集中して楽しむことができました。
金継ぎとは別の「作品」に蘇らせること
実際に金継ぎを体験してみて割れたものを修復して元の「実用品」に戻すだけでなく、別の「作品」に蘇らせるという意味が分かった気がします。
例えば線の引き方や太さの強弱、どのように修復していくか人それぞれでとても勉強になりました。材料も一通りいただき、今日以降「割れ物を自分の手で修復できる」と思うと、安すぎる投資だし来てよかったなと心から思えます。練習のためにどんどん直していきたい。
食器屋とかに「金継ぎ用に練習したい」と飛び込みで入れば陶片を分けてくれたり、仕事として依頼されるケースもあるそうです(プロの職人に頼むと高いから)。ワークショップを受けて金継ぎを副業にする方もいらっしゃるとか。
完成させるために陶片をヤフオクや骨董市でキロ単位で買うなどして、時にはひとつ完成させるのに2年もかけたりするとか。HipHopのサンプリングや編集に近い作業で、創作のヒントをいただけた気がします。
というか、ナカムラさんの話がいちいち面白くて
- 呼継ぎ用に割れた縄文土器/弥生土器買いまくってる(メルカリやヤフオクで買えるらしい)
- いま不景気で日本の歴史上もっとも安く土器が買えるらしい
- というか東北の畑でけっこう土器出てくるらしい
- 土器買うとたまに小さい土偶入っててラッキーってなるらしい(土偶や埴輪は人気あるから高い)
- 金継ぎ/呼継ぎはじめたらゴミが全部お宝に見えるらしい
- 地震あった次の日の粗大ゴミ置き場は狙い目らしい
- ネコ飼ってる家もよく食器割れるらしい
- 金継ぎはじめたら夫婦喧嘩減る(割っても直せるから)
- 縄文時代の暮らしを未だ地球上でしてるのはパプアニューギニア
- 日本は伝統とか重んじてるけど全然海外に負けてるしもっと旅して色々見た方がいい
「あ、縄文土器ってそんな雑に買えるんだ!」とか「粗大ゴミ置き場が宝の山」とか新たな趣味がスタートしそうな予感がしました。興味ある方はぜひ。
最後に言われた「所詮、金継ぎも茶人の遊びからはじまったから伝統とか意識しすぎず自由にやればいい」がナイスな言葉でした。
縄文土器の欠片、欲しい方は差し上げます。金継ぎWS参加の方、当日、声かけて下さい。呼び継ぎもできます。https://t.co/dUZMqkuoSc pic.twitter.com/Ecl41kYtiB
— ナカムラクニオ Kunio Nakamura (@6jigen) January 31, 2021