約ネバ読んで感じた「圧倒的戦い疲れ」とメッセージ性のうるささ

先に実写映画を見たのですが、ここ数日で「約束のネバーランド」を全巻読破しました。それで感じたことを言語化したいと思い、ブログ書きます。本当に面白かったし色々考えさせられました。

(歳のせいか)圧倒的戦い疲れ

約ネバも鬼滅の刃のように、「人間vs鬼」を軸にストーリーが展開するのですが、なんかもう敵(しかも勧善懲悪ではない)と血を流しながら戦うの見るの疲れたな〜と。笑

この後、「進撃の巨人」も「チェンソーマン」も「呪術廻戦」も読みたいけれど、またこの戦いを見なければいけないことに約ネバ見ながら軽く絶望してる自分がいました。戦争がなくらない理由、人には根源的に闘争本能があり、それをフィクションに求めてると言うけれど、完全それも疲れてきてるな〜。

お笑いの世界でも「誰も傷つけない笑い」が流行ってるけど漫画でも「ハンチョウ」とか「些細な日常から自分の幸せを見つける系」がウケてるのが分かります。今の自分のマインド的にも。

漫画に時々感じる説教臭さといちいち意味を求めるのだりーな

「キングダムから学ぶビジネス論」とか、「ワンピースから学ぶリーダーシップ」みたいな、漫画から現実で使えるライフハックやビジネス論を学ぶみたいなの増えてるじゃないですか。

約ネバもそれと取れる(狙ってる)ようなセリフとかあるんですよ(個人の見解です)。鬼滅も女性を中心に病んだ現代人を癒すカウンセリング漫画だと思ってます。分かりやすい意味と意図が見え隠れするのダルいな〜と自分は感じてしまいます(あくまで個人の見解です)。

まあ今はSNSを完全に無視できない時代なので、シェアされる(二次創作される)のを前提とした作品作りが重要ではありますが、あまりにも「分かりやすすぎる」「説明しすぎている」作品が増えてないかと。少年誌にどうこう言っても仕方ないけど。

約ネバは「多様性」がキーワードなのですが、直接的に言葉で表してる部分が多く、ちょっとそこは「ん〜」という感じでした。同じことを鬼滅でも感じてます。

鬼滅の刃を観て感じた好き嫌いを超えたもの

そういう意味では、説明なしに物語だけでメッセージを訴えかけてくる作品って本当にすごいと思います。例えば同じ漫画で僕が強く感じるのは「ハンターハンター」で、特に蟻編。

 

これは完全に宇宙人が書いた漫画ですね…約ネバはすごい面白いけど、人間が書いたものです。

具象より抽象化して伝える方が難易度は圧倒的に上がり、そしてそれはまた、受け手側の読解力も求められているのです。深く思考することなく流れで読み進められてしまうSNSやYouTubeに対する違和感は強くなるばかりです。商業的でありながらギリギリ純粋を攻めてるもの読みたいし作りたい。

漫画を通していま自分たちがどういう時代を生きているのかを知ったり考えたりするの楽しいですね。もっとこういう話をしたい!

漫画読んだ後に、山田礼司さんやオタキングこと岡田斗司夫さんの批評を読むのが好きなんですけど、村上隆さんが言う「漫画が日本における芸術」なのだとすれば、これほど時代を明確に表すものはないと感じているし、そこから学ぶものは多いと思ってます。

それと最近は「みのミュージック」という音楽批評チャンネルも見てるんですが非常におもしろい。もっと表現を通じて時代を知ろう。

そんな、たくさんのことを考えさせてくれた約束のネバーランドという作品にリスペクト!