今日なんだかとてもパンチの強い展示会に行ってきました。
金沢在住の山川さんというコレクターが、愛犬のミニチュアダックスフンド「ラッシー」をモチーフとした作品をアーティストに依頼し、作ってもらった作品なんとその数100点が展示されてました。
これがほんとの愛犬!愛犬の作品をアーティストに依頼できるメンタル強すぎぃぃぃぃ!てか、ダックスフンドにラッシーって名前つけるなぁ!!(千鳥)
アーティストが様々なカタチでラッシーを表現してて最初は「ふーん」という感じだったのですが、最後らへんは「何かヤバいモノを観た気がする」という感じになってました。
コレクターもまた作品をコレクションするという行為を通じて自己表現してるのだと思います。
だってこれほどのコレクションの数と、展示会までやっちゃうバイタリティ見たら「愛犬への愛」が嫌でも伝わっちゃうよ。
自分も他のアーティストの作品をコレクションすることにハマっているのですが、改めて「コレクター」という生き方の面白さや可能性を感じました。
アートが自己表現になったのはここ最近?
あと展示のキャプションで印象的でしたね。
現代美術において、観賞とはアーティストのコンセプトや思いをいかに受け止め理解するか、ということになろうが、それはアーティストから鑑賞者への片思いという一方通行にすぎない
かつては当たり前で、いつのまにかなくなってしまった「つくるがわ」と「見るがわ」の相思相愛という刺激的な恋愛関係を僕らはこんなにも意外なかたちで、こんなに意外な場所から教えられることになったのだった
(都築響一)
「アートは自己表現」みたいなイメージが定着したのって実はここ最近の話で、これまでアーティストって貴族からの依頼で肖像画を描いたり教会やお寺の絵を頼まれて描く「職人」でした。
「アート」という言葉の語源もギリシャ語の「テクネ(技術)」を意味します。
つまり、アーティストは自己表現でなはく、依頼者の要望通りに忠実なモノを作ることをやってきてたんですよね。
プロ無職としてクライアントワークと無縁の生活をしていたので、少し見え方が変わったかも。
一見ヘンテコだけど、偏愛ほど最強なものはないと思った展示会でした。
ちなみにアートの世界ではクライアントワークではなく「コミッション」と呼びます。