アートと税制に関することで、こちらの一連ツイートが参考になったので引用させていただきます。
先日アート界の税制に詳しい方の勉強会に参加した。
多くの人に既知だろうけど、個人的備忘録に。
・多くの国:作品を美術館へ寄贈すると「時価」で所得税,相続税から控除。
→コレクターは作品を集め、寄贈で文化貢献し、蒐集費用は価値上昇分も含めて戻る。財布が自然と緩み、作家らにお金が回る。— ミヨ氏 (@miyo_art_) October 3, 2020
・日本:同様に寄贈しても「贈与税を取られないで済む」だけ。コレクターはセカンダリーに流す以外に資産価値の実現方法が無く、蒐集に投じたお金は「消費」に近い。財布の紐は固くなる構造。またコレクターに寄贈や申告のインセンティブがなく、脱税の温床にもなる。
— ミヨ氏 (@miyo_art_) October 3, 2020
・MoMAの学芸員に日本の税制の話をしたところ「(そんな構造で)日本のコレクターはなぜ作品を買うのか」と真面目に聞かれたという。
・日本のアート市場は経済規模や所得水準から本来現状の5倍ほどになるはずが、この税制では厳しい。
— ミヨ氏 (@miyo_art_) October 3, 2020
・アート界に流れるお金の大半はコレクターの財布から。
・が、資金回収方法に乏しいと多額を投じにくく、活性化しない。
・コレクターの資金的「出口」が財布を緩める肝。
・これを改善するには、税制改正ロビイングを頑張るか、セカンダリーを盛り上げるしか無い。
— ミヨ氏 (@miyo_art_) October 3, 2020
個人的な所感として、コレクターは言わずもがなとして、作家にとってもギャラリーにとっても、顧客がお金を使いにくい市場で戦うのは本当に効率悪いだろうなということ。
特に作家は、可能な限り、海外で活動していかないと苦しい世界ですね…
— ミヨ氏 (@miyo_art_) October 3, 2020
文化庁が他国のアート税制事情を認識したのが、たった数年前に日本総研に依頼して得た調査レポートかららしい。
そこから国税との戦いもあるらしく、税制改革への道のりは遠い…
— ミヨ氏 (@miyo_art_) October 4, 2020
ここが日本のアート市場が伸びない大きな要因ですな。ちなみにこの投稿のタイトルは村上隆さんがホリエモンとの対談で言ってたことです。
節税対策としてアートにお金を使う理由になりにくいし、文化貢献という大義名分すら失われる。
日本のアートコレクターは(それしか資産価値への変換がないので)常にセカンダリーに左右され、もちろん動向を追うのにコストもかかります。
そしてこれは作家側にもモロ影響することで、本当に、日本だけで作家活動行うのは無理ゲーだと実感します…。
逆を言えば、日本のコレクターは節税目的などではなく、純粋な目的でコレクションしてくれるとも捉えられますが、そう綺麗事で回る世の中でもないと思います。脱税の温床にもなり得るなだから。
この辺の制度と仕組みを変えないことには、ですね。勉強なります。