絶望に決して慣れていけない

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昨日、中学生ぶりに「ショーシャンクの空に」を観ました。今さら語る必要のない名作で、よく「映画通が選ぶ名作映画ランキング」で1位になってたりします。

中学生だった当時の自分の感想は「これが…1位なのか…?(ぺこぱ)」

君の名は」の三葉のように「こんな田舎町から出て東京行きたい〜!はやく大人になって自由になりたい〜!」と思ってた僕からしたら、出所しても刑務所に戻りたくなって終いに自殺してしまう囚人の気持ちなんて、1ミリも理解できなかったわけです。

出演:ティム・ロビンス, 出演:モーガン・フリーマン, 出演:クランシー・ブラウン, Writer:フランク・ダラボン, 監督:フランク・ダラボン

では14年ぶりのショーシャンクはどうでしょう。上記のシチュエーションも、プロ無職として自由を謳歌してる自分には痛いほど気持ちが分かります。

自由とは辛いことでもあり、危険なことでもある

自由ってとても辛いことです。環境・時間・人間関係に支配されている人がそこから解放されると、たちまち不安や孤独、責任感に襲われます。エーリッフ・フロムも「自由からの逃走」という本を書きました。

1930年代の混乱の最中に、ナチスの全体主義に傾倒したのは小さな商店主、職人、ホワイトカラー労働者から成る下層〜中流階級でした。まさにいま日本で「働き方改革」の対象になってるのもこの辺の人たちですね。

宇野さんの「遅いインターネット」の中でとても印象に残る文章がありました。

2016年にトランプ大統領が当選してしまったことをFacebook上で嘆く起業家や投資家、エンジニアたち。しかし「国民国家という古い枠組みにとらわれてない自分たちには国境など関係ない。アメリカがトランプによって自由を失われてしまうなら、他の国に行けばいい」と彼らは語ります。

しかし、実は彼らのような「”自分たちは境界のない世界”の住人であり、境界のある世界のルールなど関係ない”と思ってる人たちの語り口こそ、トランプを生んだ」と記してます。

すでに壁など取り払われていたのに壁ができてしまったのは、「壁を作れ」と言った人間ではなく、自分たちには壁など関係ないと言ってた人たちが精神的に壁を作っていたからなのたと。ナチスによるホロコーストも、最終的には大衆の手によって行われたことを、僕らは忘れてはいけないのです。

精神的自由を無意識に奪われること

…は!?

ついつい感情移入して自由の辛さについて語ってしまいました。

もうひとつ。僕がショーシャンクの中で好きなシーンが、主人公のアンディーが規則を破って、刑務所内でレコードを爆音で流すシーン。

長官たちはブチ切れてもなお、音楽を流し続けます。

そしてクラシックなんか聞かなさそうな教養なき囚人たちが作業の手を止める。結局このあと、2週間も独房にブチ込まれてしまうわけですが、なぜそんなことしたのでしょうか。

ちなみにアンディーは模範的囚人として長官たちから気に入られてました。そんな立場なら尚更そんなリスキーなこと絶対しない。一見、何も意味なさそうなこの行動は中学生の僕には理解できませんでした。

刑務所にいることの本当の辛さは、空間的な物理的自由を奪われることよりも、芸術といった精神的自由を無意識に奪われることなのではないかと。

事実として主人公アンディーは刑務所の中でも図書館を作るために奮闘したり、他の囚人たちに高卒資格を取らせるために教育をほどこしたりと、物理的な自由を奪われてもなお、自分の居場所ややりがいを見つけていきます。

前々から言ってますが、毎日自宅と会社の往復してるお金のない人でも、この外出自粛の中でも誰もが自由になれる訳です。もう3週間引きこもってますがどんどん自分が自由になっていくのを感じます。

片や、モーガン・フリーマン演じるレッドは40年も服役し、趣味だったハーモニカもいつしか興味を失い辞めてしまいました。「ここでは意味がないことだ」と。そして「希望は危険だぞ。希望は人を狂わせる。塀の中では禁物だ」とアンディーに語ります。

これこそ、コロナ時代に僕がもっとも危惧することです。人が、希望や生きる意味を失ってしまうこと。

絶望に慣れてはいけない

1947年に出版されたカミュの「ペスト」の中では「絶望に慣れることは、絶望そのものよりもさらに悪い」と語られています。”自分の人生ってこれでいいのか?”という生きる意味や、世界そのものに疑念を生じさせるのがペスト(コロナ)なのです。

実際「自粛疲れ」が日々SNSで上がってきてるし、それに生じて家庭や様々な場所で小さな歪みが生じてきています。

今回のコロナは言うまでもなく長期戦。歴史を振り返っても、これから自ら命を断ってしまう人は増えてしまうでしょう…。だから、芸術が、本当に必要なんです。

「希望は良いものだ。多分最高のものだ。素晴らしいものは決して滅びない。」

この時期に観て良かった映画です。名作は年と共に学ぶことが変わる奥深さが良い。そんな訳で、いま僕にできることを淡々とやっていこうと思います。

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