全てを失ったエリートが出した答えは「Googleでの安泰」より「大好きな女の子」

  • 高校時代は水泳で東京都1
  • ジュニアオリンピック出場
  • 勤務先は誰もが知っている「Google
  • 30代前半で結婚後、1人の子供を設ける

「言ってしまえば、エリート街道を突き進んできた」

そう語るのは、伊藤良一、35歳。

しかし、インタビューを受けている彼の肩書きは「Google社員」ではなく「女の子大好きブロガー」です。

全てを失いながらも前へ進み続け「女の子大好きブロガー」という生き方を選んだ彼の生き様を掘り下げていきます。

「大企業に入れば人生勝ち組」という考えをお持ちの方、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

「結果が全てだと思っていた。」完璧だった学生時代。

——まずはじめに、のちに大企業に入ることとなった伊藤さんはどのような学生時代を過ごしたのでしょうか。

伊藤さん:自分で言うのもなんですが「エリート」でしたね。完璧でした。


勉強は得意で、部活の水泳ではキャプテンを務め東京1位にもなりましたし、ジュニアオリンピックにも出場しました。

——凄い。そのような結果を出せた背景にはどのような過程があったのでしょうか。

伊藤さん:とにかく結果が全てだと思ってひたすら努力していました。部活では、3年間一緒にやってきた同級生を「結果が出ない」と言う理由で辞めさせたこともあります。

水泳部時代の伊藤さん。

——「結果が全て」ですか…他の評価の方法はなかったのでしょうか。

伊藤さん:水泳って結果が全てなんです。例えば、サッカーなんかは「DFが凄い」や「パス回しが凄い」なんて評価の方法もあるじゃないですか。しかし、水泳は一番にゴールした人が勝ち。泳ぎ方なんて評価されないんですよ。だから、結果を求め続けましたね。

——なるほど、水泳ならではですね。ちなみに今でもその考え方でしょうか?

伊藤さん:全く違いますね。「コミュニティ、人との繋がりを大切にしろ!」と言いたい。周りの人との関わりがあって人は成長するので…。

「人との繋がりを大切にしろ!」と学生時代とは180度違う考え方を持っている伊藤さん。彼がその考えに到るまでにどのような過程があったのでしょうか。

就職したのは超有名企業の「Google」。30歳で結婚し子供も設け、まさに「完璧な人生」…のはずだったが。

——会社員時代の話をお伺いします。伊藤さんは求人倍率100倍以上の学校の事務などを経て、有名企業の「Google」に転職されたそうですが、どのような会社員生活だったのでしょうか。

伊藤さん:常に結果が求められる環境で、やりがいがありましたね。収入面も安定してたので当時付き合っていた彼女と結婚し、後に一児を設けてまさに「順風満帆」でした。

——それはこの上ない会社員生活ですね。一体何があったのでしょうか?

伊藤さん:仕事が徐々に忙しくなってしまったんです。朝に出勤して朝方に帰るなんて日もあったりして…。そんな環境の中での「子育て」がうまくいかなくなってしまいました。

そうなると、妻とも上手くいかなくなって最終的に「離婚」に至ったんです。エリート街道を突き進み、順風満帆な生活を送っていた僕は完全に自信を失いました。「他の人間にできることができない僕は人間失格だ」って。

全てを失った男、女の子に出会う。

——今までが「完璧」だった分のショックは大きかったと思います。その後すぐに立ち直ることはできたのでしょうか。

伊藤さん:できませんでした。それどころか自信を失った僕は仕事も休みがちになり、いつしか仕事を辞めることを考え始めました。そして、仕事を辞めることを考え始めた約1年後、妻が再婚したとの連絡を機に会社を辞めました。

——仕事を辞める最大の動機は「元妻の再婚」ですか?
伊藤さん:それはきっかけにすぎないですね。というのも、僕の「エリート」としてのプライドは離婚した時点で崩れました。

今思えば極端ですが、当時は「僕が死んでも悲しむ人はいない」とまで思っていました。ただ、そう思えたからこそふつふつと「一度きりの人生、好きなことをしてやろう」って気持ちが湧いて来たんですよね。

——その結果が、フリーランスであり、「女の子大好きブロガー」という生き方ですよね。

伊藤さん:そうですね。学生時代の友人が独立した事でフリーランスという個人の力で収入を得る生き方を見つけました。「これなら僕にもできるのではないか?」と始めたのがきっかけです。

——「女の子」に注目するきっかけはなんだったのでしょうか?

伊藤さん:カフェで仕事していた時に、ふとサービスを開始したばかりのInstagramにカフェで仕事している写真をアップしたんです。しかし、30代男性がアップした写真にいいねなんて全くつきませんでした。しかし、女の子が同じことをしている写真にはいいねが多数ついていたんですよね。そこで「女の子がやったらいいのか…!」と思って軽い気持ちで、女の子とカフェの紹介を掛け合わせた「美人カフェどっとこむ」というブログを開設したのがきっかけです。

運営サイト:美人カフェどっとこむ

——なるほど…!戦略的にというよりは軽い気持ちではじめたんですね!…ちなみに、聞いた感じ”ビジネス女の子好き”に聞こえてしまうのですが、ズバリどうなのでしょうか…。

伊藤さん:山崎さん(インタビュアー)が一緒に仕事をしていてテンションが上がるのは男性ですか?女性ですか?

——女性です!

伊藤さん:ですよね。僕もです。つまり、そういうことです。

(怖い)

試行錯誤の結果「美人カフェどっとこむ」は企業と提携するまでに成長

——軽い気持ちで始めたブログ、始めから好調だったのですか?

伊藤さん:いえ、1年間はずっと赤字事業でしたね。ただ、マイナスは嫌だったので、試行錯誤しながらも戦略的に伸ばしていった結果、今では黒字事業です。さらに、今年2018年の3月から女性のためのクラウドファンディング「Kanatta」などを運営する株式会社AIRさんと提携し、よりメディアがパワーアップしました。当メディアも今年、クラウドファンディングに挑戦します!

引用元:Kanatta

——提携…!すごい!好きを発信しているとこういうことにも繋がるんですね。

伊藤さん:自分でも信じられませんが、プライドを捨てて愚直に発信した結果だと思っています。

エリートだったからこそ伝えたい「低学歴だろうがエリートは超えれる」

——ここまで話を聞いて、心のどこかで「エリートだからこそここまで成功を収められたのではないか?」と感じてしまっている自分がいます。

僕はとてもじゃないけど頭は良くなくて、出身高校もいわゆる低偏差値の高校で、いわゆる「低学歴」なんです。低学歴の時点で、エリート…いわゆる高学歴には勝てないという印象があります。

伊藤さん:エリートと呼ばれる高学歴の人は、その学校に入るまでにたゆまぬ努力をしています。「努力を重ねてきた回数」という点では高学歴は強いと思います。ただ、努力というのはいつでもできますよね?

つまり、低学歴だから、高学歴の人に差を縮められないというのは嘘になると思うんです。実際に、似たような経験をしたこともあります。

——詳しく聞かせてください。

伊藤さん:高校の水泳部時代、同級生の1人はレギュラー争いで下級生に負けてずっと補欠でした。補欠だった彼は、大学に上がってトライアスロンに転向し、結果的にトライアスロンの日本代表までに成り上がったんです。

今振り返ると彼は、学校から家までの長い道のりを自転車で毎日通っていて、「なにやってんだ」って正直馬鹿にしていました。しかし、今振り返ると彼は努力を積み重ねていたんです。

そして、その積み重ねた努力で彼は大成し、フィールドは違えど僕がたどり着けなかったキャリアにたどり着きました。僕はせいぜい東京都1位。それに対して彼は日本の代表。完全に「負けた」と感じましたね。

つまり「低学歴」とか「現時点で劣ってる」とかは全く関係なくて、小さな努力を積み重ねれば、必ず追い越すチャンスはやってきます。

——とても感動してしまいました!「低学歴」は言い訳でしかないですね。小さな努力を積み重ねていきます。本日はありがとうございました。

「Googleに居続けて高い給料を貰うよりも、今の生き方の方が好き」

——最後に単刀直入にお伺いしますが、大企業であるGoogleを辞めて後悔している部分はありますか?

伊藤さん:全く後悔していません。大企業に入って高い給料をもらうことより、自分の好きな人と好きな仕事をする方が幸せですね。
大企業を否定しているわけではなくて、僕はこの生き方の方が「好き」ということです。勇気を出してフリーランスの世界に飛び込んで本当によかった。あ!ただ、1つだけ後悔が…。

——なんでしょうか。

合コンに呼ばれなくなった事は後悔してます!

流石、女の子大好きブロガーだ(笑)

最後に

大切なのは肩書きなんかではなく「今の働き方が好き」と胸を張って言えること。

「エリート街道まっしぐらだった時より今の方が楽しい」と語る伊藤さんの輝いた目がとても印象的でした。

あなたの進もうとしている進路は、あなたが日々通っている会社は、本当にあなたが心から望んでる働き方ですか?一度立ち止まり、自分の胸に手を当てて問いかけてみて欲しいです。

もし自分の望んでない働き方だとしたら、自分の好きな働き方を送れるように日々小さな積み重ねをしてほしいです。その日々の小さな積み重ねは後に自分に大きな変化をもたらしてくれると思います。

そしてこの記事を通して、胸を張って自分の働き方を誇れる方が一人でも多く増えますように。
最後までご覧いただきありがとうございました。

photo by 廣田貴弘(@hirota_takahiro

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