キラキラネームを付ける親の特徴と付けられた子供の末路

面白い本を見つけました。

こちらの「宝くじで1億円当たった人の末路」という本。

様々な人たちの「末路」を取り上げた本ですが、親のエゴがこどもに与える影響ってすさまじいんだなと感じさせるエピソードが多々入ってるんです。

例えば「キラキラネームをつける人の末路」という話が興味深かったです。

キラキラネームをつけられた子供が一体どのような末路を辿るのか。その問題点と、キラキラネームをつける親はどのような特徴を持っているのか詳しく記載されてます。

キラキラネームをつける親は没個性的な教育を受けてきた

子供にキラキラネームをつけてしまう親って「民度が高くない、アウトローな人」という印象を持つかもしれません。いわゆる「DQN」と呼ばれるような人たち。

しかし、それは「全くの誤解である」と説きます。キラキラネームをつける親は中流階級以上で社会的地位のある真面目な「ごく普通」の人たちが多いそうです。

キラキラネームをつける親は「自分は個性的ではない」と自覚してるケースが多く

  • 周りに迷惑はかけてはいけない
  • 間違ったことは言ってはいけない
  • 良い子でいなきゃいけない

といった、日本でありがちな「没個性的な」抑圧された教育を受け、強い無力感や欠乏感を抱いてるということです。

そういった人が親になると、当然子供は「個性豊か」に育って欲しいと願います。そんな思いを込めて、キラキラネームがつけられるという。

キラキラネームをつけられた子供はどのような末路を辿る?

宝くじで1億円当たった人の末路」の中では、名付けの最新事情や、奇抜な名前が子供の人格形成に与える影響などを命名の研究家に直接取材しています。

以下参考になった部分です。

1.就職活動に不利になる

人気企業ともなると膨大な量の履歴書が送られて来るので、文字から明確な差を見抜くのは難しいとなると、「名前」が及ぼす書類選考への影響は大きいと言います。

読みにくかったり、ふざけた印象を与えたりする名前の学生からふるいにかけていくのは当然です。

一般常識からかけ離れた名前は社外に悪いイメージを与えるだけでなく、社内にも支障や混乱を生みます。電話の取り次ぎ、顧客からの問い合わせ、社内資料の作成など、キラキラネームの社員がいることの弊害は永続的です。

2.結局個性的ではなく、周りの目を過剰に気にする子が育つ

「個性的に育って欲しい」、「周りに流されるのではなく、自分で選んだ人生を送って欲しい」という思いをこめてキラキラネームをつけられた子どもは、結局個性的な人間にならないことが多いと解説してます。

というのも、キラキラネームを名付ける親は「没個性的」な教育を受けてきた人たちなので、「個性的な名前」は付けられても個性的な子ども育てるノウハウは知らないわけです。

結果としてキラキラネームの子どもほど「周りの目を過剰に気にする埋没的な人間」に育つという。

3.いじめの被害に遭うリスク

当然懸念されるのが、キラキラネームであるがゆえの「いじめ」を受けるリスクです。

二度見してしまうほどのキラキラネームであれば、周りからからかわれてしまう可能性は考えられるでしょう。

4.選択肢が削られてしまう

そして上記のいじめのリスクをあらかじめ回避するために、キラキラネームの子どもの入学をお断りする私立学校が増えているそうです。

学校側がいじめ問題を解決するのは労力もかかりますし、予めいじめがおこらないようにリスクヘッジするのは当然と言えます。

もちろんこれは学校だけに留まらず、先にあげた就職活動などもそうです。

つまり、無限の可能性を持つはずの子どもの選択肢が「名前」を理由に削られてしまうのです。とても悲しいことだと思います。

5.虐待に遭うケースもある

キラキラネームをつける親の価値観のベースには「個性豊かに育って欲しい」という思いがあるため、想定通りに育たないと普通の人以上に感情が爆発してしまうケースが多いそうです。

なんと厚生労働省の「自動虐待相談件数」は平成初期から増加しており、キラキラネームが増えだした時期とぴったり重なるのです。

スクリーンショット 2017 04 06 15 35 28
出典:平成27年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数<速報値>

キラキラネームはマジョリティになっていく

キラキラネームであることで、人から覚えてもらいやすくなったり、「ウチに珍しい名前がいるんですよ」という会話から顧客との新しい接点に繋がるのでは、と考える方も多いと思います。

キラキラネームは、他にそのような名前の人がいなかったから珍しがれただけで、今ではクラスの半分がキラキラネームの時代。個性的な名前が武器になるのは一過性にすぎないとのこと。

僕も「塁(るい)」という名前で珍しがられたりはよくしてましたが、最近は昔ほど名前を突っ込まれることはなくなりました。

個性的な名をつけたつもりが、全く個性的でなくなる時代が訪れそうです。

子育ては親の人生の敗者復活戦ではない

本書の中で最も記憶に残った言葉です。

キラキラネームからここまで話題が発展するとは思わなかったです。笑

別のエピソードの「教育貧乏な家庭の末路」も面白かったのであわせて読んでみてください。

組体操が危険なのに高層化する理由に親のエゴを見た

このように、様々な人の「末路」が綴られているので人の心理を知れて面白いです。オススメ!