近年、転売屋がアート業界にも進出してるという話をよく聞きます。
特にストリートアートが転売屋の標的になってるみたい。
先月開催されたbacksideworksさんの個展ではシルクスクリーン作品が店頭販売されるとあって、雇われた中国人を含む転売屋が長蛇の列を作りました。
250,000円だって。早速転売されてるし。#neofuk#backsideworks https://t.co/LZsdDwELUS
— wakasi0515 (@wakasi05151) April 10, 2021
7月に開催された「盗めるアート展」でも多くの人が集まり、開始数分で展示が終了した上に盗まれた作品がメルカリで転売されたのは記憶に新しいです。純粋にアートを楽しみたい人が楽しめなくなるのは悲しいことです。
「盗めるアート展」主催が開催当日の混乱について謝罪 作品画像を後日公開予定 https://t.co/P3VplwCIay 展示作品を「許可なく持ち帰りできる」というユニークさが話題を呼んだ「盗めるアート展」について、主催側が開催時の混乱についての謝罪コメントを発表。作品のアーカイブ画像を後日公開予定…
— museumnews jp (@museumnews_jp) July 12, 2020
ギャラリーサイドでも転売目的の人の購入を防ぐために「抽選販売」を謳いながら、中できちんと信用ある人を精査してます。それもそれで、不透明性がありますし、転売屋も色々対策してきそうで難しそうな気も。
ご安心ください。転売屋さんには渡らぬようしっかりと画廊に選別させております!
— Backside works. (@BacksideWorks) September 2, 2020
転売されてもアーティスト側にメリットはない?
二次市場で転売され続けても
- 作家側に1円も落ちない(日本では追及権がない)
- ブランド価値が落ちる可能性がある
のでリスクが高く、できるだけ防ぎたいところなんですね。
個人的に千住博さんの
「信用できるギャラリーで信用できる人だけに作品を販売し、自分が生きてる間はオークションにかけられないのが理想」
「納得いってないけど市場に出た過去の自分の作品は自分で買取り破棄する。自分の作品の息の根を止めるのもアーティストの仕事」
という考えに衝撃を受けたのを覚えてます。
書評「芸術とは何か」現代人に必要とされる内容がない作品は現代美術と言えない
転売(二次流通)を撲滅させるのは不可能
美術を知る前の僕は、作品に何億円の値が付くことが価値だと勘違いしてましたがそうもいかないのが美術界の難しくも面白いところ。
ただ、「転売屋を撲滅させよう!」と言ってる間は本当の解決は絶対に生まれないと思うのです。
人は常に変わるもの。僕だってもし借金抱えたら自宅にあるコレクションは生きるお金を作るため売り払うでしょう。それは作家やギャラリーからしたら転売行為と変わりません。
綺麗事抜きで、それで生活して、経済回してる人や会社もいます。
最近の若い人は「後からメルカリで売れるから」という理由でブランド品を買って、できるだけ綺麗に使うそうです。
大切なのは、共存関係をいかに美しくデザインするかだと思うんですが、その辺うまくやってる運営サイドもいるはずですし、例えば売却するとしても、一報入れるとかその辺のリテラシーの底上げできればとか。
将来的にNFTといったブロックチェーンの技術で解決できるのでしょうか。