書評「言葉のラジオ」国字から日本人の国民性や情景に想いを馳せる

趣味のひとつが「語源を探ること」のワイです。

聞いて聞いて!朝からおもしろいこと知りました。読んでいた本はこちら

漢字は中国から入ってきたわけですが、本家中国にはなく日本で作られた漢字(=国字)は平安時代の時点で400語存在しました。

国字は例えば辻、匂、畑、峠など、訓読みだけで音読みはないやつですね。

わざわざ自分たちで漢字作ったのは、日本人にとってそう表現するために必要だったからということです。

国字から見る日本人の価値観

「働」も国字だそうです。人が動くと書いて働く。

日本人は人が動いてるのを見ると「あの人しっかり働いてるなぁ」と評価する傾向にありますし、逆に、動くだけで働いてない人もごまんといるでしょう。

この考え方が、ずっと問題視されてた日本人の労働生産性の低さや、仕事における価値観を形成してるのではないでしょうか。

とかね!国字から日本人の価値観探るの面白くない!?

「込」も国字。そして日本語には「込」を使った複数語が多い。

申し込む、投げ込む、逃げ込む、取り込む…洗濯物は取るだけでいいのに、取り込む。教えるだけでいいのに教え込む。日本人の徹底した精神性をうかがえますね。没頭することへの重要性を感じます。

「俤(おもかげ)」 弟と書いてなぜおもかげ…?

ここは日本の昔の田舎。長男は戦争にとられ、残っているのはまだ小さな弟。そして弟を見てると、帰ってこないお兄さんを思い出す。成長につれて、だんだん顔や雰囲気も兄に似てきたなぁと。この漢字を見ると、そんな田舎の風景を思い浮かべる美しい言葉と筆者は言います。

ちなみに英語で「おもかげ」を一語ではあらわす言葉はありませんでした。欧米にはそういった情景に美しさを見出す価値観はないのかもしれません。

思考があるから言葉が作られる 言葉によって思考が作られる

以前書いたこちらの記事を思い出します。

言語を変えれば思考が変わる。思考が変われば運命が変わる。

また、おもしろい遊びを教えてもらいました。早速実家に眠ってた辞書をひっぱり出してきたプロ無職でした。

「恋」の旧字は「戀(こい)」

いと(糸)しい、いと(糸)しい、と言う心と書いて戀。めっちゃいい…