アートの民主化は本当にみんなを幸せにするのか?

アートは人類みな必要とするもの。

最近アートブームと呼ばれ若いコレクターが増えており、日本のアートマーケットの売り上げは順調に伸びています。

「アートに対するハードルを下げよう」という言葉もよく聞きますし、オンラインで作品を購入できるサービスや絵画レンタルサービスなども増えてきました。

でも、コンセプトや見た目を分かりやすくしたり、誰もが作品を買いやすくすることで本当に皆んなハッピーになるのか?

どうやら世界はそんなに単純ではないような気がします。

アートブームの裏で起こっていること

人気作家の転売行為や、先月開催された「盗めるアート展」での騒動に関して、

アーティスト(ギャラリー)と転売屋は常に戦っています(転売行為自体を完全否定してる訳ではありません)

アート業界における美術作品の転売について思うこと

アートへの教養や関心が低い人の参入を招けば、結果として業界・作品の質も低下し、みんなが損する事態も起こります。

書評「ラッセンとは何だったのか?」大量に売られ消費され、美術界から黙殺されたアート

ここが文化と民主化のバランスの難しいところですね。と考えると、(難解に見える)現在のアートシーン閉鎖的で排他的な業界の空気感はどこか正解のような気もします。

改善するにはやっぱり根本的な美術教育の是正な気がするんだよなぁ〜結局。

アーティスト側にできることは何か

じゃあアーティスト側は何ができるのか?って話なんですが。

岡本太郎の例は興味深いと感じます。

太郎は「芸術は全ての人に開かれたものだ」という信念で、太陽の塔を代表する、誰もが無料で鑑賞できるパブリックアートを全国各地に作り、晩年はバラエティ番組やCMに出演しました。

晩年のテレビの影響で「イロモノ」みたいなイメージはありますが、日本で芸術家と言えば「芸術は爆発だ」の岡本太郎なのではないでしょうか。世界的には無名ですが。

映画評「太陽の塔」岡本太郎は大きく勘違いされている

果たしてそれが良かったことなのか、どうなのか。

無下に何でも「アート」と付けることが意味することはどういうことなのか。

美術、芸術、アート、ARTの違いは何か。

表面をなぞるだけじゃなく、もっと真髄に考えていかなければいけないのではないでしょうか。

森村泰昌さんのこちらの動画面白かったので、ぜひチェックしてみてください。

少し批判めいたことを言うと、あまりにも世の中では軽々しくカタカナの”アート”を使いすぎているのではないだろうか

表現活動を行なっている人は、少なくとも自分が使う言葉に対しては慎重になった方がいいかなと思うので